執筆日:2021年10月1日
公開日:2021年10月5日
「会話をすると、よく相手を怒らせてしまう」
「何から喋ったら良いか思い浮かばない」
「人間関係を作るのがとにかく苦手」
この記事を見ていただいてるということは 現在、こういった悩みを抱えていませんか?
実際に私自身も過去に発達障害でコミュニケーションに悩んでいた事がありました。
悩みを会社の上司に相談しても「そんなのみんな同じ」と言われてしまい、人に相談してもなかなか良い答えが得られにくかったです。
そこで今回、当事者だからこそ分かる発達障害者のコミュニケーションのお悩みと、その改善方法をご紹介致します。
発達障害者はコミュニケーションが苦手なのか?
この質問の答えは「Yes」となります。
ただし・・・
発達障害特有の症状だけが原因でコミュニケーションが苦手となるわけではありません。
発達障害者でも部分的に改善できることがありますので、それをこの記事で紹介致します。
コミュニケーションの特徴
まずは発達障害者のコミュニケーションにおける特徴を振り返ってみます。
症状によって特徴はさまざまなのですが、一例として以下のような特徴があります。
- 相手の目を見て喋れない
- 明るく振る舞えない
- 話を聞いていないように見える
- 相手の言葉が終わるまで待てない
- 無自覚に相手を怒らせる事を言う
個人差はありますが、発達障害者のコミュニケーションは上記のどれかに当てはまることが多いです。発達障害者は相手の立場に立つことや、我慢・集中をすることが苦手なため、上記のような症状が表れてきます。
ここでは第三者目線で発達障害者の特徴を挙げて見ましたが、「当事者の目線」だとどう感じるかを次にまとめてみます。
実体験|発達障害者が実際に感じる苦労・難点
他者の気持ちを想像できない
自分自身が体験したことのあるシチュエーションであれば、「自分ならこう感じる」とある程度の推測をすることができます。
しかし、体験したことのない未知のシチュエーションだと、相手の感情を想像しようとしても全くイメージを描くことができません。
これが災いして、自分としては何気なく言ったつもりの言葉で他人を傷つけたり怒らせることになります。
例)母親に「どうやったらそんなにデブになれるの?」と言って怒られてしまう。
失敗を通して、相手には「言われたら嫌な言葉」があるのだと学びはします。
それでも、想像力の欠如から未知のシチュエーションで言葉を選べないのです。
更に、注意欠陥や衝動性などの症状も相まって、どうしても失言が増えてしまいます。
こだわりが強すぎる
自分の中にあるルールを守らないと気が済まないのです。
そのこだわりやルールが破られると、激しい怒りを抑えられなくなることもあります。
この「怒りやすさ」は、発達障害者が持つ衝動性や感情コントロール能力の低さも原因となります。
例)家の自室にある「耳かき」などの物の位置を動かされると、激怒してしまう。
一見些細なことであっても、当人からすると耐え難い怒りや焦りをもたらします。
結果、他者とのコミュニケーションにおいて、キレやすい人と思われてしまいます。
コミュニケーションは訓練で改善可能なのか?
コミュニケーション能力を健常者と同等まで引き上げることは、残念ながら非常に難しいです。
その原因は「他者の気持ち」を想像する能力が著しく低いことにあります。
しかし、ビジネスシーンで使われる言葉を前もって覚えたりロールプレイングの訓練をすることで、いくらか改善することは可能です。
結果として、健常者と同レベルにはなれなくても、最低限相手を怒らせない程度まで改善することは可能です。
実体験|コミュニケーションの訓練方法とその効果
テクニックとしての「うなずき」と「あいづち」
冒頭で私は、発達障害者が「目を見て喋れない」と言いました。
実はそれだけでなく、発達障害者は非言語コミュニケーション全般がとても苦手です。
正確に言えば、苦手というよりも「自然に行うことができない」と表現した方が適切です。
そこで、即効性のあるコミュニケーション対策として私がおすすめするのが以下となります。
- 会話の合間で意識的に「うなずき」を入れてみる
- 共感できる話には「あいづち」を入れる
実際にやってみると相手が話しやすそうにしてくれていることを実感でき、会話がとてもスムーズとなります。
コミュニケーションを円滑に行う上で、非言語の情報はとても大事になります。
自分がうなずきやあいづちを意識するだけでなく、相手がどういう反応をしているかも同時に気にすることで、より円滑な会話を行うことができるでしょう。
「完璧主義」と「こだわり」を少し捨ててみる
発達障害者特有のこだわりの強さは、コミュニケーションの相手だけでなく自分自身も追い詰めてしまいます。
「うまくコミュニケーションを取らなければいけない」
そういう思い込みが強いのですが、それが却って本人の振る舞いを不自然でぎこちないものにしてしまうのです。
また、相手の発言が「自分のこだわり」に反していたとしても、過敏に反応せず緩やかに受け入れる心構えをした方がうまくいきます。
このように、自分にも相手にも寛容で居られる心持ちを少しずつ見に付けていくと良いです。
コツとして以下の点を意識してみてください。
- コミュニケーションは「何となく」言葉をかわすだけでも成立する
- 自分の発言内容が「適当」でも、相手はあまり気にしない
- 相手が適当なことを言ってたとしても、あまり気にしなくて良い
これらを実践して心持ちを軽くすると、会話とかコミュニケーションに対する恐怖心がうすくなっていきます。
コミュニケーションが苦手なことで自分を追い詰めていたものが「自分自身」であったことを実感できました。
円滑に人間関係を築く上では、コミュニケーションに対して固く構えないことがとても大切です。
まとめ
今回、発達障害とコミュニケーションについて述べてきました。
改善のための方法を振り返ってみます。
- 会話の途中で「うなずき」や「あいづち」を入れてみる
- 「完璧主義」を捨て、気楽にコミュニケーションをしてみる
いずれも、発達障害の当事者にとってはそう簡単に実践できることではないと思います。
私自身も、最初は小さな改善を試し繰り返すだけで精一杯でした。
しかし、実践することでコミュニケーションに対する苦手意識を減らすことは可能です。
少しずつでも問題ありませんので、これらの改善方法を試して頂ければ幸いです。