執筆日:2021年5月8日
公開日:2021年5月8日
最終更新日:2022年5月29日
発達障害の診断|発達障害グレーゾーン ASD ADHD
発達障害に悩む方の中には、まだ医療機関で診断を受けていない人も多いと思います。
またグレーゾーンと呼ばれる、発達障害という診断は下されていないがほぼ同様の症状に苦しむ人もたくさんいます。
今回は発達障害の診断を得る上で知っておいた方が良い知識をご紹介していきます。
なぜ発達障害の診断を受けるのか?
診断を受ける理由
人それぞれ細かい違いはあれど、大きく言えば発達障害であることを周囲に認知されたい。
配慮されたいという点で言えばみな共通なのではないでしょうか。
まずは、発達障害の診断を受けたいと願う人について整理してみます。
悩める人たち
今の世の中で生きづらさを感じる人。
コミュニケーションが上手く取れなかったり、ミスを繰り返す人など、職場で苦労する人が後を断ちません。
発達障害者は、こういった苦しみを抱えています。
精神的な苦しさは他者に伝えづらい
仮に苦しみを伝えたとしても、おそらくこのような答えが返ってくるでしょう。
「そんなの皆同じだよ」
理解されないこととか、配慮されないことー更に言えば苦しさを伝えることを「不当」であるかのように反応する人。
これらが「一部の人々」に生きづらさをもたらします。
発達障害を診断できる医療機関は限定的である
発達障害の診断をする場合、通常は精神科や心療内科を選ぶことになると思います。
注意点として下記のことを知っておいて下さい。
すべての精神科・心療内科で発達障害の診断が可能というわけではない
<追記>発達障害の診断が可能な医療機関の一覧は、本ページ最下部のリンクよりご確認頂けます。
診断が下りない人ーグレーゾーンの悩み
「普通」の人と比較される苦しみ
発達障害である、といった診断が下りない。
しかし、生きづらさを抱えている。
このような人は「発達障害グレーゾーン」と呼ばれることがあります。
診断が得られないため、周囲からの配慮を受けることが出来ず、具体的な診断が下りた人よりもむしろ苦労するではないかと言われております。
配慮を得ることへの渇望
「診断さえ得られれば、周りに配慮してもらえるのに・・・。」
こういった悩みを吐露する方も少なくないようです。
参考文献:発達障害グレーゾーン 本記事の最下部でリンクを掲載しております。
診断を得られた後の境遇はどうだったか?
職場での配慮はあったか
診断を得て会社に伝えた時、一時的には「若干の」または「お気持ち程度の」配慮を得られるかもしれません。
しかし、会社とは言い換えれば「利益を追求する企業」に過ぎません。
特に管理職は、必ず会社の利益と発達障害への配慮コストを天秤に掛けます。
配慮の度合いについて、私の経験をまとめます。
- 就職後に診断が下りて会社に伝えた場合
- 配置変更などはされにくい
- 現状維持もしくは長時間残業の制限程度しか期待できない
- 就職時に診断や配慮事項を伝えた場合
- 会社の発達障害に対する理解度がほとんどなく、特性と配慮事項はこちらから説明が必要
- 就業時間の配慮は得られた
- 障害特性と希望する配慮事項を説明したが、配慮は時間と共に忘れ去られた
家族はどう反応したのか
- 父親は診断結果を理解し、聞き入れてくれた
- 母親は診断結果を認めず、間違っていると断定した
家族の理解は当事者にとって大きな支えとなります。
逆に言えば、家族の無理解は当事者を「崖っぷち」へ追い詰めます。
具体的かつ現実的なメリット
- 障害者手帳が得られるかもしれない
- 障害年金を受けられるかもしれない
ただし、どちらも医師の診断が必要です。
受給できる条件は限定的と言えます。
受給できる条件について、要点2つだけ簡単にまとめます。
- 日常生活、例えば食事、買い物、市役所での手続きなどで「具体的な困難さ」を抱えている
- 社会生活、特に職場において、「一定の配慮が必要となるほどの困難さ」を抱えている
この2つの内のいずれかに該当していれば、障害者手帳や障害年金の申請が可能でしょう。
ただし申請が通るかどうかは、各人の症状の重さによりけりとなります。
飽くまでも主治医に相談するようにして下さい。
【結論】周囲の人に、配慮を行うインセンティブはあるのか?
正直なところ、当事者でない人たちにとって、発達障害の配慮を行うインセンティブは無いと感じます。
その決定打、最大の理由は「外見、見かけ上は普通の人と変わらないこと。」これに尽きるでしょう。
タイトルの回収となりますが、診断を受ける前に知っておくべき3つのことをまとめます。
- 発達障害に対し無理解な人・組織ほど、配慮してくれる可能性は低い
- 誰が理解者なのか判別する必要ありー医者、障害者支援組織、障害者専門の就職斡旋機関
- すべての精神科・心療内科で発達障害の診断が可能というわけではない
記事の信頼性
発達障害当事者の経験談を記述しております。
職場や家族の反応は一概に言えないため、本記事は飽くまでも一例の域を出ません。