発達障害者のお仕事|お悩み解決 実践編

work 発達障害
自作絵です

執筆日:2021年5月10日

公開日:2021年5月15日

最終更新日:2021年12月24日

発達障害者の仕事の悩み|実践的解決方法

発達障害者は仕事で多くの悩みを抱えます。

多くの発達障害者が共通して持つ悩みは全て、以下のことに起因しているのではないでしょうか?

「定型発達者にとっての普通」が、発達障害者にとっては極めて実行困難な難題となる。

今回は、多くの発達障害者が抱える仕事の悩みと、その軽減方法をご紹介します。

実は普通の人にも役立つ

発達障害者の方が抱える仕事のお悩み。

実は健常者、いわゆる普通の人にとっても、程度の差こそあれ同じ悩みを抱えることが多いのです。

更に言えば、発達障害者向けの仕事改善手段は一般の人にとっても役に立つものとなるので、知っておいたほうがお得なのです。


悩みの「程度の差」を定型発達者とうまく共有できれば、発達障害者への配慮が進み、「生きやすい職場」が自然にできるとは思います。

しかし、この程度の差を伝えることは非常に困難です。

それゆえ、即時的な対策を図りたい場合は、どうしても自己解決へ挑戦せざるを得ないのが現実となります。

ただ、これからご紹介する改善手段は、いずれも実践が比較的容易と思うものを選びました。

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引用元:「photoAC」様 https://www.photo-ac.com/

強力な改善手段3選

  1. シングルタスク
  2. ルーチンと作業興奮
  3. 説明の技術「SDS法」

発達障害のお悩み解決|実践編

シングルタスク

対象

「シングルタスク」は、ASDとADHD双方に役立ちます。

ASDとADHD共にマルチタスクを苦手としています。

マルチタスクの対策をすることで、仕事のミスを減らし効率を高められるでしょう。

ではこの「シングルタスク」とは何なのか、その実践手段を説明していきます。

方法

シングルタスクという文字通り、仕事をひとつずつこなしていきます。

作業場のタスクを一つに絞るだけでなく、パソコンのデスクトップやウィンドウ、机の上なども「一つの仕事」に制限してしまいましょう。

ながら作業を避け、タスクを一つずつ着実にこなすことで仕事の効率と集中力が上がります。

また、ミスや疲労も減らすことができます。

風呂敷を広げすぎない、手広く着手しないことを意識しましょう。

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引用元:「photoAC」様 https://www.photo-ac.com/

ルーチンと作業興奮

対象

「ルーチンと作業興奮」は、ASDとADHD双方に役立ちます。

特に、集中力とやる気が立ち上がりにくいADHDに対して効果が高いと言えるでしょう。

方法

仕事を始める時に、毎回固定で行うルーチンを決めておきます。

簡単に行えるルーチンを設定すると効果的で、その後の仕事を続けるためのやる気を引き上げることができます。

この作用は「作業興奮」と呼ばれています。


ルーチンの例

下記のような簡単な作業が良いです。

  1. ハンドスピナーを回す
  2. ハンドグリップを握る
  3. 紙に文字や表を書く

おもちゃのような物を使った方法が多いですが、効果は侮ることなかれ。

たぶん指、体を動かすことが脳の調子を整えてくれるのだと思いますが、やる気が整理されてくる感覚があります。

頭を使わなくて済むので、調子が良いときも悪いときも実践できるのが強みとなります。

5分ぐらいやるだけでも、その後の仕事のやる気を高めてくれることがあります。

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引用元:「photoAC」様 https://www.photo-ac.com/

説明の技術「SDS法」

対象

ASD、ADHDそれぞれが、どちらも説明が不得意なことが多いです。

筆者の経験則ですが、以下のような傾向があります。

ASD:全体像を説明することが苦手で、細部の説明に終始してしまいがち。
ADHD:説明の量が多くハイペース。話題もそれやすい。

方法

Wikipediaの説明を引用させていただきます。

SDS法

Summary(要約)、Detail(詳細)、Summary(まとめ)の頭文字を取ったもので、PREP法と同様プレゼンテーションに良く用いられる文章構成方法。

1.最初に紹介するモノやサービスの概要を伝える。
2.次にそれに関する詳細な説明を述べる。
3.最後にそれらを総合し、まとめを述べる。

上記のとおり、SDSの各項目で同じ内容を3回詳細度を変えて繰り返し説明するのがポイント。

wikipediaより引用 URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/PREP法#関連項目 引用日時:2021年5月15日

話の全体像を伝え、テーマを固定することが重要と言えます。

その手段として「SDS法」を一つの型として身に付けると、必ず役に立つ場面が来ると思います。

結論:発達障害の悩みは小さなこと、できることから始める

本記事では以下の3つを説明しました。

  1. シングルタスク
  2. ルーチンと作業興奮
  3. 説明の技術「SDS法」

これらは改善手段としては比較的簡単で小規模の効果が期待されます。

私としては、いきなり大きな改善に取り組むのではなく、まずは今日からでもできる「小さなこと」から始めることを推奨しております。


この他にも「認知行動療法」や「アサーション」などといったメンタルとコミュニケーションの改善テクニックがあります。

実践できた時の効果は大きいのですが、身につけて実践するまでが大変なので、結局出来ずじまいになる例が多いのです。

記事の信頼性

筆者の実体験に基づき、仕事の改善テクニックを紹介致しました。

それぞれの技術に科学的な裏付けはありますが、参考文献も後追いで追加予定です。

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